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ソファから立ち上がってご令嬢の傍へ寄る。
「聖時は俺とは違って口数の少ない男です。
目の前のことを黙々とクリアして、確実に目標を達成する。
何を考えているのかわかりにくかもしれませんけど、悪い奴じゃない。
聖時をよろしくお願いします。」
聖時のために頭を下げた。
……いや、星野のため。
……俺は……純粋に聖時とご令嬢の結婚がうまくいけばいいと思っているわけじゃない。
汚い男だ。
……それなのに……。
「ええ。
聖時さんの力になれるように頑張りますわ。」
このお嬢様には頭が上がらないかもしれない。
そんな純粋な言葉が返ってくるなんて。
下げていた頭を上げる。
このお嬢様のために俺が出来ることなら……
何でもしよう。
本当にそう思ってしまった。
ご令嬢の純粋で真っすぐな気持ちが……
俺の恋愛に対する価値観を変えていくことになるなんて。
人生……何が起こるかわからない。
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