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「ふふ……」
自分の事みたいに話す節子さんに心が温かくなって柔らかい笑いが零れた。
「……煌人さんは真っすぐな人だから、誰かを心底愛することが出来れば、星野病院同様に……いえ、きっとそれ以上に深い愛を注いでくれそうですけどね。
ふふ、節子もあと30若かったら……ふふふ。」
節子さんは柔らかく笑う。
節子さんの意味深な言葉に……
恋愛経験の浅いわたくしはドキドキしてしまって。
「せっ節子さんは……きっ煌人さんが……好きですの!?」
節子さんは満面の笑みで「ええ、もちろん」そう答えたのですわ。
その答えに腰が砕けそうで。
わたくしと煌人さんも歳の差は6歳。
好きな気持ちに歳の差なんて関係ないのかもしれませんけど……。
節子さんと煌人さんなんて親子ほどの歳の差があるのに……
「煌人さんは私の子どもと同じ。
私がまだ悠子さんくらいの歳だったら……煌人さんに恋したかもしれませんね。」
……なんだ……
そう…ですわよね……。
節子さんが語る煌人さんのことに一喜一憂しているわたくしは……
完璧に恋に堕ちているのですわ。
節子さんと会話を弾ませながら夕食の準備を進める。
味付けも盛り付けも最近はわたくしにさせてくださるのですわ。
節子さんから「うん、美味しいですね」の合格印をいただくまではドキドキが収まらなくて。
夕食はお父様とお母様と3人でいただきましたの。
煌人さんは帰宅が早いと言われても21時くらいのご帰宅で。
煌人さんだけの食事をテーブルに用意する。
もう一度火を通して、熱々を食べていただくのですわ。
お父様やお母様に食べていただくときより、煌人さんに食べていただくときの方が緊張が増す。
だって……。
どうしても見たいのですもの。
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