許されぬ想い

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 *****  いつの間にかに眠ってしまっていたみたいで、目を覚ますと部屋は真っ暗だった。  一瞬どこにいるのかわからなくて、混乱してしまったけれど。  星野家の客室であることを思い出して……大きな溜息が零れた。  あんなに取り乱して泣いたりしてしまって……  煌人さんはどう思っただろうか。  ゆっくりと身体を起こして、この暗闇に慣れた瞳を凝らして部屋を後にした。  何時なのかもわからなくて、リビングへ降りる。  わたくしの荷物もきっとリビングに置いてあるままなはずだから。  伊部に連絡して迎えに来てもらわなくては。  一階へ降りるとリビングの扉から明かりが漏れていて。  まだ誰かが起きている気配がそこに伺えた。  扉を開けて中を覗くと、足と腕を組んで瞳を閉じている煌人さんの姿が見えた。  その姿にドキッと心臓が跳ねた。  ……わたくしが起きてくるのを待っていたのかもしれない。  扉が開く音に反応して煌人さんは顔を上げた。  その表情にドクンと強く心臓が脈打った。  煌人さんがとても疲れた顔をしていて。  そんな表情にさせたのは……このわたくし。  煌人さんに出会ってから今まで、こんなに疲れて苦しそうな表情をした煌人さんを初めて見た。  好きな人から……笑顔すら奪ってしまったのかもしれない。  ……聖時さんの話なんて……しなければよかった……。  煌人さんのその表情が……  わたくしの胸をギュッと掴んで握りつぶすかのように苦しくて……。  煌人さんにかける言葉すら出てこない。 「……悠子さん、目が覚めましたか。」  煌人さんはわたくしにそう言葉をかけて  微笑んでくれた。  もう、それだけで……  わたくしに笑いかけてくれるだけで……  充分ですわ。
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