まぶしい太陽

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 眩しい  眩しい……。  目が……開けられない。  わたくしはそのまま俯いてしまった。 「あれ……?  聖時は?」  きらとさんの言葉が頭上から降ってくる。 「仕事ばっかりで悠子さんのことはほったらかしみたいなのよ。  ご挨拶だけでも。って今日は一人で来てくださったのよ。」  お義母様が説明してくれる。 「マジで!?」  きらとさんは驚いた声音をあげた。  その言葉にまたドクンと心臓が跳ねる。  それは……  どっちの意味で言われているのでしょう。  図々しく一人で来たのか。ってことなのか。    それとも…… 「一人で来させるなんて……。  ひどいな、聖時のやつ。  信じられない。」  きらとさんは聖時さんに怒っていて。  だけど、結局は……。  聖時さんを悪く思わせてしまったわたくしの責任になるのですわ。 「いえ、聖時さんは本当にお仕事でお忙しくしていらしゃるから。  一人で勝手に来た悠子が悪いのですわ。」  俯いたままきらとさんに答えた。  ふ~と、きらとさんは大きく息を吐きだした。 「……それなら。  今日は俺が聖時の代わりをしましょう。」  きらとさんの言葉に驚いてわたくしは思わず顔を上げた。 「……え……?」  そこにはまた眩しいほどの笑顔があって……。  少し収まっていたドキドキがまた再加速を始める。
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