太陽の下で

17/23
前へ
/441ページ
次へ
 白い肌に浮かぶ、赤い唇。  俺を欲しがっているかのように煌いて見えて。  その唇に唇を重ねた。  閉じられた唇をネジあけて熱い舌を滑り込ませた。  口内を這いまわして、舌を絡める。  俺の手は……  悠子さんの曲線をなぞる。  細い腰にまた女を感じて…… 「……ンン……ハッ……」  隙間から漏れてくる甘い吐息。  寒さなんて忘れて熱を帯びてくる身体。  俺の胸元を掴む小さな手。  ゴーッ!!っと、突然エアコンが風を吐き出し始めて我に返る。  大馬鹿野郎か。  ……俺はこんなところで理性を失ってる場合じゃないだろ……  胸元にある悠子さんの小さな手を上から優しく覆った。  不安げな表情の悠子さんに微笑んで、優しいキスを落とす。 「お陰で温まりました。」  悠子さんの身体から手を離して、運転席の椅子に腰を下ろした。 「行きましょうか。」  ハンドルを握ってアクセルを踏んだ。  ほどなくしてレクサスはコンビニの駐車場に入る。  助手席の扉を開けて手を差し出すと、悠子さんは微笑んでその手を取った。  悠子さんの動きに合わせてふんわりと香ってくるローズの香り。  その度に、いい匂いだな。と、思う。 「あの……コンビニって、何を売っていますの?」 「え!?」  さすがにその質問には驚いて、悠子さんに勢いよく視線を向ける。 「まさか……コンビニ……行ったことありませんか?」
/441ページ

最初のコメントを投稿しよう!

961人が本棚に入れています
本棚に追加