太陽の下で

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 ずっと心が穏やかで。  こんなに心が満たされるなら  誰かと迎える朝も捨てたもんじゃない。 「煌人さん、お時間大丈夫ですの?」  少し慌ててリビングに戻ってきた悠子さん。  すでに時刻は7時半を回っている。  ……誰か。……じゃない。  悠子さんだからだ。 「ええ。  そろそろここを出ましょうか。」  悠子さんに手を差し出した。 「これだけは約束して欲しい。」  俺の言葉に悠子さんは視線を上げた。 「俺に対して我慢は要らない。  可能な限りあなたに俺の時間を捧げる。  だから。  絶対に一人で泣かないと、約束して欲しい。」  絡んだ瞳が潤んできて、一筋の涙が零れ落ちた。  その涙を拭う。    この全てが奇跡。  だから……  大事にしたい。  悠子さんの全て。  俺と悠子さんの未来は……  今、始まったばかり。  暗闇に流れる星よ。  これから先の未来を……  ずっと照らし続ける輝きと煌めきを……  そのエネルギーを俺に与え続けてくれ。  俺はずっと  悠子さんを照らし続ける太陽でいる。  煌きを失わない灼熱の太陽のままで。  
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