事務長と医者

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「いつかって聞かれても正直わからない。  いつかしたくなるかもしれない。  いくつになってもしたくならないかもしれない。  知佳がどうしても結婚を望むなら、俺とは別れた方がいい。」  二股とか、浮気とかそうゆう類のことはしたことがない。  正直、女同士のトラブルに巻き込まれるのは面倒だし、彼女にした女性には義理堅く操は貫き通す。  だから。  今は知佳以外に好きな人も、付き合ってる人も勿論いない。  ……それでも……。  俺の心の奥底は恋愛に対してかなりドライなのかもしれない。  知佳のことは好きだし、喜ぶことならなんでもしたいと思う。  だけど、朝まで一緒に過ごしたいと思えた人は今まで一人もいない。  "結婚"に対して前向きになれないのも、それが理由だ。  ずっと一緒にいたいと思えたことがないのに、結婚なんてできるのか?  自問自答したって、答えなんて出ない。 「……ごめん、煌人。  私は煌人以外の人なんて考えられない。  ……結婚のことは……もう言わない。」  知佳のその言葉に小さく笑う。 「帰るよ。  知佳も明日仕事だろ。  早く寝ろよ。」  ベッドから腰を上げて、小さな知佳の手の甲にキスを落とした。  知佳の部屋を後にして帰路に着いた。
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