究極を極上の美味にする、方法

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普段から仲の良いソイツから、こんな電話がかかってきたのは、夏が終わり冷たい風が窓を叩く、そんな日の夕方だった。 『だ・か・ら!』 「……なに?」 『究極なんだってば!』 スマホを耳に押し当てているとソイツの声はやけに興奮していて、かなり盛り上がっていた。ひとりで。夜飯の前に小腹がすいたな。 「なんだよ、なんの話だよ」 せっかくの休日、まだストーブを出すのは早いかと悩みつつ面倒臭さもあって、押し入れに入れっぱなしの状態でぬくぬくと布団にくるまっていれば、この電話である。 『コンビニの新商品!』 「買ってきて」 『ばかっ! どうせ布団にくるまってぬくぬくとスマホゲームしてるだけの癖に!』 大当たりである。 『いいから早く出てこいよ、家の前で待ってるんだから!』 「なんで家まで来てんだよ……」 『迎えに来てやったのー』 迎えに来るくらいなら、電話なんかしないでその新商品とやらをコンビニで買ってきてくれればいいのに……と二度も言えるはずもなく、仕方なく布団をまくり上げた。 「寒っ」 ぬくぬくの部屋着を脱ぎ、手早く着替えてのろのろ外に出る。
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