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余談だが、俺には兄貴が居る。
兄貴は既に結婚していて転勤で地方に行ってるから、兄貴の部屋はガランと空いている。
地方に行くと決まった時に、潔く片付けて行ったからだ。
いつか同居するつもりがあるのかどうかまでは知らないけど、あまり過去の荷物を残したままではいけないと整理したらしい。
その兄貴の部屋だったところを、親父は佐藤に使わせると決めていた。
親父と同じ部屋に住まわせないのは、死んだお袋に対しての配慮だろうか?
まぁ、我が家ん中で男同士の甘い声とかは聞きたく無いからいいんだけどさ。
そういや兄貴にこの話をしたら、兄貴はどういう反応をするだろう?
そう思った俺は兄貴に泣き付きたくなったけど、笑い飛ばされるだけって気がしたから電話もメールも躊躇ったまま───
なかなか寝付けぬ夜を過ごし、その分すっかり寝坊して日曜日を迎える事になった。
寝坊自体は少しぐらいしても問題はないんだけど、それより部屋を出る事の方が何だか気まずい気分になっていた。
でも、もうすぐ昼だし何より起き抜け。
トイレにも行きたいし、飯だって食いたい。
俺はパジャマから部屋着に着替えて、観念して二階の自室から降りていった。
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