まさかの対峙

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そして、土曜日。 俺は必死で頭に浮かんでくる亜樹の顔やら親父との馴れ初めの妄想やらと戦いながら、昼過ぎで終わる筈だった仕事と日が暮れるまで対峙していた。 親父と亜樹の事で多少は効率が悪くなっていたのもあっただろうけど、休日出勤なのに仕事が増えたのが何よりの理由だった。 仕事が片付いて帰る頃には腹が減ってたけど、外食して帰宅を遅らせるわけにはいかない。 帰宅を遅らせる程度の逃避ぐらいしたいけど、したって仕方ないし、したら親父にどやされるのは間違いない。 俺は決死の覚悟で真っ直ぐに帰った。 なのに… なのに、家は真っ暗。 俺の気合いは、何だったんだ? けど、まだ気は抜けない。 親父達が晩飯を食ってくるのかどうか分からないけど、腹が減っては戦は出来ぬ、だ。 幾ら何でも部屋着じゃマズイかと思ったからラフな私服に着替え、台所に向かって野菜炒めを作って軽く腹を満たした。 炊飯器に飯は残っていたし、野菜炒めなんて作るのはさして時間は掛からない。 親父や亜樹と合流してから一緒に食事ってシチュエーションも考慮してガッツリ食べたわけじゃないから、フライパンや食器を洗って片付けても何時間も掛かったわけじゃない。 でも、俺が帰ってから一時間や二時間は過ぎている。 なのに、2人とも現れるどころか連絡も無い。
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