まさかの対峙

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まだ事故とかの心配をする時間では無かったから、ただイライラするだけだった。 (ったく俺に空けとけとか言っといて、何やってんだよ…) もし親父に空けとけって言われてなくても、同じ時間に帰ってきて一人で飯食ってただろうけどさ。 だけど何だか部屋に籠ってちゃいけない様な気がして、缶ビールを呑みながら居間でテレビを視る事にした。 何度視ても飽きないアクション映画の放送を視ながら、チビチビとビールを呑む。 酔って待つのも悪いから一本だけ呑んでたけど、映画放送の時間が半分を過ぎても親父は帰ってこない。 勿論、電話の一本も無い。 張っていた気が段々と弛んできて、眠くなってきた。 ちょっとマズイなって思ったから、コマーシャルのうちにパック入りのコーヒーをマグカップに入れた。 だけどコーヒーと映画の健闘も虚しく、疲れていた俺はつい転た寝をしてしまった。 Zzzz… テレビの音声が遠くなっていって、そのうち意識が途絶えて───。 やがて段々と、また音声が近く感じるようになった。
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