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#0 [終の始まり]
もしも、
あなたの隣にいる人との思い出が、
全て作り物だとしたら。
もしも、
あなたがあなたじゃ無くなったとしたら。
--「東京ピエロ。」--
「ねえ、この後どこ行くー?」
「んー。もうすぐ終電も無くなるし、クラブでも行っちゃう?」
「あ、それいいねー!」
「呑も呑もー!!」
明らかに未成年と思われる少女達が賑わう此処は、大都会東京。
多くの人がそれぞれの想いを抱き、日々歩んでいる。
誰もが憧れる街。
の筈だった。
今日までは。
少女達の中でも、比較的おとなしく見える彼女は、突然交差点の中心で立ち止まった。
「ん?どうしたー?」
友達の問いかけに対し、彼女はまるで別人の様に狂気に満ちた笑顔を振る舞い、カバンの中から銀色の凶器を取り出した。
次の瞬間、周りを囲む少女達の首筋から、真っ赤な液体が飛び散った。
少女達は唖然とした顔のまま、次々と赤く染まり、ドミノの様に意図も簡単に倒れていく。
悲鳴と共に逃げ惑う人々。
震えながらも写真を撮るイカれた人々。
そして、一瞬にして悲鳴と真赤な液体に包まれたこの街を嘲笑うかのように、誰かが一言呟いた。
「ゲームスタート」
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