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《2/2》
確かに。そこには引っかかる。
ただこの場合、一つだけ考えられることがあった。
「犯行は、彼らの意志じゃ無いのかも…」
咄嗟に口をついて出てしまった僕の言葉に、中野さんは瞬時に反応した。
「どういうことだ!?」
詰め寄ってくる中野さんを手のひらで制し、話を続けた。
「〝マインドコントロール〟って聞いたことありますよね?」
「十名全員が、事件に関することを一切覚えていない。それに、彼らが嘘を言っている様にも見えない。だとすれば、考えられるのは一つしかないんですよ」
「ちょ、ちょっと待ってください…」
「まさか…」
オドオドした捜査員からの問いに対し、僕は指で髪の毛をクルクルと巻きながら答えた。
「彼らは、誰かに操られていた」
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