十六夜レモネード

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彼女は訝しみ、冷静に質問してみた。 「そんな所で何してるんですか?」 「まぁ、ちょっと……とりあえず、助けてください」 「無理です」 「何で?!」 「いや、普通に考えて、女子高生平均レベルの私の力じゃ男性を持ち上げられません。他の人呼ぶくらいはできますが、それまで耐えられますか?」 「他の人ですか……」 助けてほしい割には不服そうな男の声音に、彼女は呆れる。 「そんな羽付けているのを見られたくない気持ちはわからなくもないですけど、このままじゃどうにもなりませんよ?それともその羽で飛んでみますか?」 彼女がちょっと厳しめに言ってみれば、男は考えるように沈黙し、 「……そうだった!羽があった!」 男は叫ぶと翼をはためかせて飛び上がり、彼女の横に降り立った。
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