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「正直にお話しましょう。父親の再婚により、同じ学校に通う双子のイケメンが兄になるという、人の世の漫画でしか無いような境遇に至った貴女で、神々は賭けを始めました」
「賭け?」
「はい。貴女がどちらの兄とくっ付くか、神々が賭けているのです」
「……」
月乃は開いた口が塞がらない。
予想外にも程のある話にしばらく固まってから
「ふざっけるなぁ!」
彼女はニーハにカッターを投げつけていた。
「人の人生で賭け事なんかしてんじゃないわよ!」
カッターは当たらずに屋上の床を滑っていく。
「私があいつらのせいでどれほど苦しめられているか!神様のくせにわかってないの?!」
怒鳴り散らした月乃は荒い息をつく。
彼女が少し落ち着くのを待ってから、ニーハは口を開いた。
「神々についてはわかりませんが、少なくとも僕は、貴女の全てを知っています」
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