十六夜レモネード

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「正直にお話しましょう。父親の再婚により、同じ学校に通う双子のイケメンが兄になるという、人の世の漫画でしか無いような境遇に至った貴女で、神々は賭けを始めました」 「賭け?」 「はい。貴女がどちらの兄とくっ付くか、神々が賭けているのです」 「……」 月乃は開いた口が塞がらない。 予想外にも程のある話にしばらく固まってから 「ふざっけるなぁ!」 彼女はニーハにカッターを投げつけていた。 「人の人生で賭け事なんかしてんじゃないわよ!」 カッターは当たらずに屋上の床を滑っていく。 「私があいつらのせいでどれほど苦しめられているか!神様のくせにわかってないの?!」 怒鳴り散らした月乃は荒い息をつく。 彼女が少し落ち着くのを待ってから、ニーハは口を開いた。 「神々についてはわかりませんが、少なくとも僕は、貴女の全てを知っています」
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