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その奇妙な店は、オフィス街の一角にひっそりと佇んでいた。
周りは近代的なオフィスビルであるにもかかわらず、ポツンと昭和初期の時代に建てられたような木造の店があり、そこだけ異様な雰囲気を漂わせていた。
店の外側にあるディスプレイにモノクロの古びた写真が飾られていて、そこには着物姿の美しい女性が写っている。
一見、少し古びた写真館のようだが、外からは何の店なのかよくわからない。
店の看板らしきものには、「再会の館」と書かれていた。
私が店の中に入ると、奥のカウンターに店主らしい老紳士がいて、椅子に座ってコーヒーを嗜みながら小説を読みふけっているようだった。
老紳士が私に気が付かないようだったので、おそるおそる声をかけた。
「すみません!」
老紳士は私に気が付くと立ち上がって、
「いらっしゃいませ!」
と、ゆっくりと丁寧な口調で、笑顔で挨拶してくれた。
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