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三ツ星。
僕がシェフを務めるレストランに与えられた称号だ。
名誉なことであるし、嬉しくもある。
不慣れな取材というものも受けるようになった。
そして、取材陣が決まって口にするのは、僕が小学生の頃に不慮の事故で亡くなった母が料理研究家であったことで、母の意思を継いだのかと決まって訊ねてくることだ。
僕は、そんなことで料理人になった訳ではないので違いますよと穏やかに返す。
残念そうな取材陣は、お母様の料理はやはり美味しかったですかなどと訊ねてきた。
僕は、笑顔を崩さずに「母の料理は美味しかったですが、僕の人生での極上の美味は父が握ったおにぎりです」ときっぱりと答えた。
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