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「信(まこと)!1人で黄昏てるとこ悪いけど、明日のシフト変わってくんねえか?」
物思いに耽っていると、突然声をかけられた。
「明日?新(あらた)が自分でシフト入れたんだろ!暇だからって」
「それがさ、バイト先でハロウィンイベントやることになって打ち合わせが入ったんだ。だから俺晩飯いらないから。あとはヨロシク」
「あ、おい、新!!……ったくもう自分勝手だな」
俺の優しさにいつも甘えやがって。
俺と新は一卵性双生児。
同じ高校に通っているから学校では双子だと知られているが、バイト先は別々だから秘密にしている。
双子という境遇に不満があるわけじゃない。
ただ、それを忘れられる時間があってもいいかなって思うだけ。
新もバイト先では双子だと言ってないらしいし。
さすが考えることは同じなんだな。
「しょーがねえな!冷蔵庫の中身と相談してからメニュー決めるか。足りないものはクラブの後で買って帰るとして……」
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