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「……」
心が揺れた。
そんな話は彼女のSF好きが肥大化した妄想だと少しでも思った。
だが、『証拠』が存在していた。
これが妄想と一言で解決してしまうなら、ならば筆箱は何処から来て何故同じ物であるのか
手の込んだイタズラなら、どうやってここまで精巧に作れるのか
「赤神ちゃんの事は何処まで知ってるの?」
「いや……面識もないし、クラスじゃ美人と囁かれてるくらいだな」
「じゃあ、これも知らないね」
平等院は笑みを浮かべた。
「ゾンビ愛好部ができる前、この学校には数人の行方不明者がでてるの。先生は不登校とか言って必死に包み隠してるけどね」
「私さ、先生と実は影で繋がりがあってね。行方不明者には共通点があったらしいの」
「そのほとんどが赤神空と交流があったんだって」
「あの人は以前バスケ部に入ってたんだけど、その先輩の数人が……そして友達だった生徒の数人が」
「警察は赤神空に事情聴取したらしいけど、全てに証人とアリバイが存在していた。それは単なる『偶然』であると認めざるおえなかったらしい」
「ただ……ここ最近になって空が赤くなる事が多いのは知ってるよね?この筆箱もそんな時だった」
「空が赤くなる時、彼女の周囲では何かが起きている」
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