THE THING

4/6
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/352ページ
「……」 心が揺れた。 そんな話は彼女のSF好きが肥大化した妄想だと少しでも思った。 だが、『証拠』が存在していた。 これが妄想と一言で解決してしまうなら、ならば筆箱は何処から来て何故同じ物であるのか 手の込んだイタズラなら、どうやってここまで精巧に作れるのか 「赤神ちゃんの事は何処まで知ってるの?」 「いや……面識もないし、クラスじゃ美人と囁かれてるくらいだな」 「じゃあ、これも知らないね」 平等院は笑みを浮かべた。 「ゾンビ愛好部ができる前、この学校には数人の行方不明者がでてるの。先生は不登校とか言って必死に包み隠してるけどね」 「私さ、先生と実は影で繋がりがあってね。行方不明者には共通点があったらしいの」 「そのほとんどが赤神空と交流があったんだって」 「あの人は以前バスケ部に入ってたんだけど、その先輩の数人が……そして友達だった生徒の数人が」 「警察は赤神空に事情聴取したらしいけど、全てに証人とアリバイが存在していた。それは単なる『偶然』であると認めざるおえなかったらしい」 「ただ……ここ最近になって空が赤くなる事が多いのは知ってるよね?この筆箱もそんな時だった」 「空が赤くなる時、彼女の周囲では何かが起きている」
/352ページ

最初のコメントを投稿しよう!