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背筋が寒くなった。
直感的に感じる恐怖、それが虚言の類とは思えない根拠となった。
「……なら、俺に何ができる?」
「きっと何かができると思うよ。もしかしたらアンタにも『可能性』があるのかも」
「世界線がもし存在するなら、それはきっと僅かな違いが大きな分岐点となるのかも」
「……ってそれは流石に私の妄想が激しいのかもしれないけどね。けど、私の動機はもっと簡単だから」
「あの子が面白い」
「ゾンビ愛好部に入ったアンタには、接触する事で知った彼女の事を教えて欲しいの」
「どんな事でもいい。きっとそれが『真相』にたどり着ける近道となる」
「何故ならアンタ自身にも赤神空とは『因果』が存在しているから。きっと……意味があるはず」
「何のために入部したのか、その本当の意味を」
「俺は帰る!俺は帰るんやぁああ!」
「待って……認めるから!私は構ってちゃんだから!」
上の階からタクヤンと赤神の声がデカデカと鳴り響く。
「君の友達凄いんだね。部長も往生際が悪いから、見学に来た生徒は無理やりにでも最低2時間は居座らせるのに……」
「に、2時間?」
入部を決めなければ自分も2時間しつこく引き留めてられていたと考えると、あまり良いはしなかった。
「とはいえ、ゾンビ愛好部の活動なんてせいぜいお喋りくらいだから……私達部員も2時間くらいで帰るんだけどね」
「まぁ私達は帰るから、君は部長と帰りなよ」
平等院は笑顔でそう告げ立ち上がる。
「調査報告、楽しみにしてるから」
「……は?」
自身が今言われた事を正確に纏めるとするなら
赤神と一緒に帰る?二人で
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