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「うわぁああ!」
机の教科書を全て床へと放り、汗だくなりながら立ち上がった。
「助けてくれ!俺は死にたくない!まだ若いんだ……誰か!」
「……ん?」
教卓には呆れた表情に腕を組む教師。
唖然となる生徒達。
静まり返る教室。
「……え」
状況のヤバさに気付く。
「えっと……君は死ぬ事より、今は『恥をかいた』事を恐れるべきだと思うね」
「人はいつか寿命を終えるものだ。だからこそ、今の人生の1秒1秒を大切に生きていくべきだと思うよ」
「そして寝た事で学費を無駄にしている事も、少しは親のために考えたまえ」
「随分ひどい悪夢にうなされた事は察するよ。辛い心情で大変申し訳ないんだが」
「邪魔だから早く座れ」
教師は笑顔でそう告げた。
「はい………」
あれは夢だった。
赤い空も未曾有も災害も、所詮は自分の頭の中だけの出来事であり
汗だくで目が覚め、自分は1年生の男子生徒、東雲太一である事を思い出す。
だが世知辛い。
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