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今どき珍しくなった、山茶花(さざんか)の垣根のある家。
短く刈り込まれた芝生の庭の片隅には、申し訳なさそうなくらいに家庭菜園が作られている。
縁側に立って仰いだなら、そこには無数に広がる鰯雲が、青みがかった空をおおい尽くしていた。
続けざまに三発の昼花火が射ち鳴らされ、どうやら昨夜のうちから準備していた料理が、無駄にはならずに済みそうだ。
木桶に盛られたちらし寿司。
錦糸玉子が散りばめられたそのちらし寿司を観ると、忘れかけた昔のことを思いだしてしまう。
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