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浮きを何本か作り乾かしてる間に花瓶を作成。
私達が工作に夢中になっていると、子供達と瑠里はバタバタと走り回り遊んでいた。
「こら、走るなら縁側の方でやりな!今こっちに来たら危ないから」
まーちゃんに注意されると、瑠里達はキャッキャ言いながら縁側の方に向かって走っていく。
花瓶の作り方を教えると、まーちゃんは嬉しそうに挑戦し、見本用に完成品を作っておいた。
「綺麗だね……色を付けると元がチラシだったなんて思えない」
「ウチは貧乏だったし、色々手作りするしかなかったんですよ」
「貧乏はいい事だよ、始めから何不自由なく育つより自分で勉強して成長できるから。私だってそうだったよ」
まーちゃんとスッカリ意気投合して、貧乏人トークで盛り上がってしまった。
夕食の手伝いをしたり、ヒノキ風呂に子供達と入ると、豪華な客間にフカフカの布団を皆で敷く。
親戚の所に遊びに来ました位に仲良くなり、子供達を一足先に寝かしつけ、囲炉裏の部屋に戻っていた。
「子供達もお姉ちゃんが出来たみたいで楽しそうだけど、色々手伝って貰ってごめんね」
「いえ、こちらこそ久々に楽しかったです」
ココアを飲みながらそろそろ就寝かと思っていると、まーちゃんが玄関に向かい靴に履き替えるので後に続いた。
母屋から離れに案内されると、そこは広い道場のような場所だった。
「二人の刀を見せてもらっていい?旦那が勝手にお守りを渡してどんな人か見たかったんだけど、ついでに刀もね」
いきなりで戸惑ったが、まーちゃんに見せて分かるのかと不思議に思いながら双棒から刀を出した。
私のは弁慶が持ってるみたいに大きい。
間違って当たると灰になってしまうので、遠くから見せると真剣な顔で刀を見つめていた。
「百合には大きすぎるね。それにまだあまり使ってない。刀のイメージが湧かないから、想像でそんな風になったんだろうね」
まーちゃんは奥の方から鞘に入った長めの刀を持って来るとそっと抜いて見せてくれた。
近くで真剣を見たのは初めてだが、スラッと伸びた刃はとても美しいが重そうだ。
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