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「こういうのをイメージすると敵を始末するには一番いい。アンタ達は自分で大きさを調整出来るから色々試したらいいよ」
私にアドバイスをくれると次は瑠里の番だが、刀二本出しているのは凱の力だし、一体何に芭流のお守りの効果が出ているか分からない。
瑠里は二本の刃と手裏剣を出すと、まーちゃんは少し笑いだしてしまった。
「瑠里にはこの手裏剣にチカラが入ってるね、せっかくだから二本の剣にチカラを使いなよ。そうすればもっと良くなると思うよ」
パッと見ただけで分かるまーちゃんに感心していると、おもむろに竹に藁を巻いた物を私達の目の前に置きはじめた。
「ちょっと見てて」
まーちゃんは藁に近づき、二本の竹の間をゆっくりと歩く。
通り過ぎた頃に竹は真っ二つに斜めに斬られていて、いつ刀を抜いたかさえも分からなかった。
「もうこれを使えるのはこの世界で数人だけど、そもそも鎌イタチはこういう事が出来る。相手はいつ斬られたのか分からないし、気付いた時には命はない」
「凄い……」
私も瑠里も興味深々で、落ちた竹の切り口を観察していた。
「鎌イタチの技を教えるのは本来は女性で、芭流よりもずっと強いんだよ。だから……勝手に力を与えた旦那に大目玉を食らわせて、どんな人にお守りを渡したのか連れて来いって脅してたの」
ポカンとした顔でまーちゃんを見た後、急に怖くなってきて瑠里が口を開いた。
「あの、あれだったらお返ししますよ?そんな事情があるって知らなかったし、悪気はなかったんで……」
私も大きく頷いて同意した。
「あははっ分かってるって!芭流は女に騙されるけど、そういう目は間違わない。でもお守りを渡すのは私達にも危険が伴うから確認したけど、アンタ達で良かったよ」
ホッと胸を撫で下ろすと次は先程の技が気になって仕方なかった。
「あの、今のってどうすれば出来るようになります?ぶっちゃけ剣なんて使った事なかったし、時代劇でしか見た事ないレベルなんでヒントだけでも教えて貰えたら嬉しいです」
「う……ん、簡単にはいかないね。でもアンタ達イザリ屋なら特殊な能力あるんだろ?さっき見たのをヒントに何か出来ないかね?」
見ただけで自分の物にする程優秀ではない事をまーちゃんに謝り、先に寝てもらう事にした。
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