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「てか、知ってるの他にいます?八雲さんとか滋さんにバレた方が危険な気がしますけど」
一瞬シーンとなったが、リーダーは恐らくまだバレてない筈だと根拠もない返答をしていた。
「今から脅しに行ってもいいが、一応姉の意見を聞いておこうと思ってな」
『ーー何の意見だ!』
心の中で思ったがリーダーは殴る気満々だし、まだ本人にも確認してない状態だ。
でも実際には本当にデートかも定かではない。
「知っての通り瑠里は冷めてますし、まだ事実かも不明なので、確かめてからメールでいいですか?」
「待て!もし本当だったらどうするつもりだ?お前だと、半殺しじゃなくて本当に殺してしまいそうだぞ」
妹は可愛いがさすがにそんな見苦しい真似はしないし、まだ何も始まってもない。
「そんな事しませんって、でも姉だから何となく分かるんです、猿では十年早いと。まぁそういう事なんで……」
帰ろうとした私の手首をリーダーと啄が掴み、和音さんを蹴り落とし、強引に間に座らされた。
「甘いんだよ!知ってるか?最近のガキはマセてんだよ!親の知らない所で何やってるか分からないぞ」
「お言葉ですが……私達学生の時にデートくらいした事あります」
啄が一瞬怯んだが、リーダーは負けじと意見してくる。
「お前がそんなボンクラ親父ならもう何も言わねー。だが、俺は明日尾行して危険が及んだら殴る!」
嫌な展開になってきたと私の中で危険信号が点滅している。
「リーダーは顔が怖すぎるから止めて下さい、因みにボンクラ親父って性別変わってますからね」
「じゃあどーすんだよ!」
私が責められる感じになり、この場を収める方法はないかと目を泳がせていた。
「スンマセン、ちょっとコンビニ入って来ます」
時間稼ぎに中に入り、オヤツに加えて皆の飲み物を手に取った。
『あいつらの中で今冷静なのは和音さんだけだ』
和音さんに助け舟を出してもらいつつ、事実確認をしてからと言い、この場を乗り切ろうと考えが纏まった。
「お待たせしました、皆さん缶コーヒーどうぞ」
せっかく私が自腹を切って買ったのに見向きもしない男達。
啄を筆頭に作戦会議は勝手に進行されていた。
「ターゲットはタクシー移動だ、俺が車を用意して追尾するが、尾行になったら百合の出番だ」
忍者探偵X気取りなのを見て『ここにもファンいたの忘れてた』と呆れ気味に眺めていた。
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