秘密~Secret view~

9/14
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
店長がパソコンを独占してるし、する事がないので久し振りに店内の掃除。 一応、アンティークショップなのでそれなりの品も置いてある。 半分は店長が依頼を受けて探してきたものの、物違いだったり受け取り主が消えてしまったりしたものだ。 あらかたの片づけが終わっても、今日はドアベルが鳴らない。 まあ実のところ、毎日依頼があるわけじゃない。 多くて週に二、三件。 時計を見ると八時を回ってた。 お客様の気配もないし、お茶を淹れて店長に声をかける。 「店長。 そろそろごはん、どうですか?」 「もうそんな時間か」 眼鏡の下に指をつっこみ、店長は鼻の付け根を揉んでいる。 集中して情報を集めていたので、目が疲れているようだ。 応接セットに座り、持ってきたお弁当を開ける。 店長はカップラーメンにお湯を注いでいた。 帰ってきてるんだったら、店長の分もお弁当入れてくればよかった。 けど、後悔したってもう遅い。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!