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『いやはや!ホントホントホント!全く持ってナンセンス以外のナニモノでもありはしないってもんだよな!』
と!今度は!
別の中年男の生首が目を見開いて笑いながら大声を張り上げた!
『お客様方!
このお方にかかればな!俺達は、死臭を発する事も無ければ、肉が腐り落ちる事も無いんだよっ!!あんましバカな事を聞くものではないぞ!』
『アハッ!そりゃそうだわな!アハハ!』
『まっこと!愚問!愚問!ヒヒヒ!』
と!今度は!
次々と部屋中の生首達が両目を見開き口々に大声を張り上げ笑い出したのだ!
いつの間にか、部屋の中は生首達の笑い声の大合唱となっていた。
「………」
俺とマリアは、あまりの事に何も言えず、ただただその場に凍り付いていた。
恐らく、生首達が言う『このお方』というのは、この店の主人(?)のオッサンの事なのだろう…。
「よおっしゃ!!」
と、オッサンがオモムロに『パンパン!』と両手を叩いた。
「お前達!そろそろ『あちら』にお帰り!ご苦労様でした!」
と…
オッサンの『鶴の一声』を合図に、生首達は一斉にぴたりと押し黙った。
そして両目を閉じ、元の穏やかな表情に戻った。
「な、何なんだ?こりゃ」
俺は、あまりの事に唖然とするしかなかった。
「いかがでございやした?」
と、オッサンがドヤ顔で言った。
「いかがも何も…」
と、俺が何て言おうか言葉を探していると…
「もう帰ります。いくらですか?」
と、マリアが言葉を発した。
すると…
「へ?いくらって…。
いつ、アッシがお代はお金だなんて言いました?」
オッサンがニコニコしながら言い出した。
「え?見物料がお金じゃないって…どういう意味ですか?」
俺は、頭の中をクエスチョンマークでいっぱいにしながら聞いた。
「いやはや…」
と、オッサンはニコニコ顔のままで…こう言った…。
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