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「え?!」
と、マリアの顔に一瞬、恐怖の表情が貼り付いたが
「そ、そうね…」
と、うなずいた。
な、なぁに…。
『何か有るかもしれないが』…大丈夫さ!
それよりも、俺の『男を上げる』絶好のチャンスじゃないか!!
「よし!じゃあ中に入るぞ!!」
と、俺はどさくさ紛れにマリアの手を握った。
『幸福堂』の入口までは
元々、生い茂っていたはずのススキが綺麗に刈り取られていて細い小道が伸びていた。
俺はマリアの手を引きながら店の前まで行き、ガラス戸を思い切って横にスライドさせた。
と…
外観の感じから『ガタピシ』と、きしむかと思っていた古めかしいガラス戸が、意外にも静かにすっと横に移動した。
『ゴクリ』
隣にいるマリアが固唾を飲む音が小さく聞こえた。
そして、俺達二人は…
その建物の中に、恐る恐る足を踏み入れて行った。
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