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店の内部は…
どこか学校の教室の半分くらいの広さで床も壁も全て古い感じの板張りだった。
あちこちに正体不明の赤黒いシミがこびり付いている。
窓というものは一切無く、部屋の天井から一個の裸電球が吊り下げられていた。
何とも心細い照明だが、意外にも室内は明るく照らし出され店の内部の一部始終が見渡せた。
店内には、何も無かった…。
テーブルや椅子も無ければ、壁に棚すら付いていない…。
それどころか、
ひとっこひとり…誰一人として、いやしない…。
正面に大きな木の扉が一つ有る以外は、売り物となるべき商品らしき物も一切、見当たらなかった。
「もしかして…
あの扉の向こうに誰かいるのかな…」
俺は、ひそひそ声でマリアに耳打ちした。
「そ、そうかもしれないわね」
と、マリアの方もひそひそ声でうなずいた。
すると…
『ギッ!!』
突然!
目の前の扉が開いたので、俺達二人はほぼ同時に飛び上がった!
すると…
中から一人のスキンヘッドで小太りのオッサンが、のっそりと出て来た。
彼は驚いている俺達を見て、
「やぁ。これはこれは、いらっしゃいませ」
と、柔和な笑顔で揉み手をした。
オッサンは、昔ながらのラクダのシャツを着て腰には太い腹巻きを巻いている。
さながら、以前に見たホーム・ドラマに出て来るガンコオヤジの様なイデタチだ。
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