0人が本棚に入れています
本棚に追加
***
「あっ。星。」
オレンジ色に染まる夕焼けの中に、1つ2つと星が出てきたのに、わたしは気がついた。
灯真くん。今頃、どうしてるかな‥?未来の夢のための勉強、頑張ってるかな‥。
「燈っ。一緒に帰ろ♪」
「うん♪」
「今日の講義、ちょっと難しかったね‥。家に帰ったら復習しないと‥。」
「そうだね。」
大学の友達と夕焼けの中、並んで帰りながら、わたしは空を見上げる。
灯真くんから、この街のこの空は見えないけど‥。 二人の想いを繋げたあの星は、きっと変わらない。 どこにいても見えるんだ。あの日と同じように‥。
「じゃあ、私はこっちだから。またね、燈♪」
「うん。また明日♪バイバイ。」
笑顔で友達に手を振り、オレンジ色の夕焼けの中、わたしは歩きだした。
結局、あの頃のわたしたちは、どんな関係だったのか今でもわからないけど‥。
灯真くんの背中をいつも追いかけ、一緒に歩いて、それがすごく嬉しかった。
でも、今ならわかる。 初めて一緒に帰ったあの日から、わたしは灯真くんに惹かれていったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!