オレンジ

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*** 「あっ。星。」 オレンジ色に染まる夕焼けの中に、1つ2つと星が出てきたのに、わたしは気がついた。 灯真くん。今頃、どうしてるかな‥?未来の夢のための勉強、頑張ってるかな‥。 「燈っ。一緒に帰ろ♪」 「うん♪」 「今日の講義、ちょっと難しかったね‥。家に帰ったら復習しないと‥。」 「そうだね。」 大学の友達と夕焼けの中、並んで帰りながら、わたしは空を見上げる。 灯真くんから、この街のこの空は見えないけど‥。 二人の想いを繋げたあの星は、きっと変わらない。 どこにいても見えるんだ。あの日と同じように‥。 「じゃあ、私はこっちだから。またね、燈♪」 「うん。また明日♪バイバイ。」 笑顔で友達に手を振り、オレンジ色の夕焼けの中、わたしは歩きだした。 結局、あの頃のわたしたちは、どんな関係だったのか今でもわからないけど‥。 灯真くんの背中をいつも追いかけ、一緒に歩いて、それがすごく嬉しかった。 でも、今ならわかる。 初めて一緒に帰ったあの日から、わたしは灯真くんに惹かれていったんだ。
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