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ガタ‥ガタ‥
「‥ん‥?」
部屋の窓を鳴らす風の音で、駿一は目が覚めた。
「‥寒っ‥。」
やけに冷えた部屋の中、たまらずストーブをつける。
「ふぅ‥。」
だんだん暖かくなってきた、ストーブのオレンジの光を見つめホッと息をつきながら‥。駿一は、窓の方へと視線を移す。
今だに「ガタ‥ガタ‥」鳴っている窓のカーテンを開けて外を見た。
雪が降ってたんだ‥。寒いわけだ‥。
身震いする体を擦りながら、再び布団に潜り込む。 鼻まで毛布を被りボーと天井を見つめた。
「‥‥。」
こうやって一人で寝てると、つい彼女のことを考えてしまう‥。
肩くらいのボブに、クリッとした瞳をした女の子‥。 いつも元気で‥優しくて‥、ちょっと天然で‥。 それから‥‥
「‥‥。」
毎日君を見てきたはずなのに‥、あまり思い出せない‥。 ただ、斜め40°から見る君の横顔だけは鮮明に覚えてる。
知ってるようで‥まだ知らないことだらけだ‥。
そう気づいたら、駿一は無性に切ない気持ちになった。
ガタ‥ガタ‥
「‥!?」
再び震える窓の音に駿一は我に返る。 ますます雪が強くなったみたいだ‥。
彼女は‥。 生徒会の皆は大丈夫かな‥。 この雪に気づいているだろうか‥。
こんな時に熱を出してしまうなんて‥。 僕が学校を休んでいなかったら、彼女を家まで送って行けたのに‥。
そう思いながら、電話を手にする。
‥大丈夫か‥。 僕がいなくても、君を送ってくれる相手はいくらでもいるよな‥。
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