オレンジ

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*** はぁ‥。すっかり遅くなっちゃった‥。 日直って大変‥。 ‥でも、おかげで雨が止んで良かった。 あれ?あの背中は‥ 「灯真くん?」 雨が上がった校庭の隅で、木にもたれ掛かりながら立ってるオレンジの背中に、わたしは話しかけた。 「よう。遅かったな。」 「え‥あ、うん。日直だったから‥。」 「そうか。じゃあ、帰ろうぜ。」 「え‥?」 わたしに帰りを促すような声をかけ、歩き出した灯真くんの背中を、わたしは目をまるくして見つめる。 「‥帰らないのか?」 「帰るけど‥。灯真くん。もしかして‥わたしのこと、待っててくれたの‥?」 そう言ったわたしの言葉に、少し顔を赤らめて? 灯真くんは、慌てて返事を返す。 「ほ、ほら‥。どうせ同じ帰り道だろ?ついでだ‥。行くぞ。」 そう言いながら、再び背中を向け、灯真くんはサッサと歩き出した。 「あ、待ってよ。灯真くん!」 自分でもよくわからない気持ちだけど‥。 灯真くんが、わたしを待っててくれたことが、すごく嬉しい! そんなことを思いながら、前を歩く灯真くんの背中を、わたしは追いかけた。     
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