古シャツ屋

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【白ウィングカラー ブロード 綿100】 4日後、古シャツ屋の窓に飾られたワイシャツは、結婚式で花婿が着るウィングカラーのワイシャツだった。 「司。おはよう。この前の青シャツ、やっぱり直ぐ売れたんだね」 海人がやってきた。 「そだな。お前が来た2日後だったかな。子供っぽさが未だ顔に残る中年紳士が買っていったよ。袖のサイズもぴったりだった。かなり匂いが気に入ってたみたいだ。前の持ち主に会いたいって言われちまったよ。勿論断ったけどね」 「そうか。購入した人が満足ならよかったな。ところで今回はウィングカラーじゃねぇかよ。もしかして結婚式当日に仕入れたとか?」 「ご想像にお任せするよ」 「俺も一回でいいから着たかったなぁ。ウィングカラーのワイシャツ」 「普通結婚は一回だろ」 「そうだけどさ・・・。ネクタイは蝶ネクタイだった?」 「それがさ。最初は蝶ネクタイで、お色直しではアスコットタイだった」 「想像しちまうな。でも残念ながら、首が小さすぎるな。37センチだし。匂いもかがせてもらうぞ」 「どうぞ」 「お、すごい残ってんな。そりゃそうか。お色直しもネクタイ替えただけでて、同じシャツだったんだろ?一日着てたってことだよな。一生に一回のイベントで緊張もするだろうし。色々な種類の男の汗を混ぜたような匂いがする」 「だろ?」 「結婚式用じゃなくて別の目的で、すぐ売れんだろうな」 「だと思う。悪いね。お前のサイズ、最近売ってねぇな」 「次に期待してっから」 「りょうかい」
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