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「奈美恵と食べてたからうまかったんだ。あの頃も。そして、今も」
奈美恵が瞳を潤ませながら、何度も頷いてくれている。
どうか、どうか同じ気持ちであってほしい。
「奈美恵とまたこうやって食べたい」
「それはどういう意味?」
彼女の鼻の頭が赤くなっている。口元を両手で押さえている。
どうか、どうか同じ気持ちであってくれ。
「ずっとこの先も二人でここの飯を食べたい」
「それだけ?このお店のご飯だけ?」
少しだけ口を尖らせているけれど、目は笑っている。
その表情に、俺たちが同じ気持ちであることを確信する。
「奈美恵とずっとこの先も一緒にご飯が食べたい」
「それってどういう意味?」
ニヤリとする奈美恵。
「結婚しようっ」
奈美恵は一瞬目を大きく見開いた。
そして、大粒の涙をポロポロと流しながら、「バカやね。急すぎやね。克己くんはホント気が早いったい。でも、嬉しい。ずっと待っとったんよ」と笑ってくれた。
うん、奈美恵と一緒に食べるからこそうまかったんだ。
あの頃も今も。
そして、これから先もずっと。きっと。
完
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