14人が本棚に入れています
本棚に追加
「他の世界にホラーが?」
目の前にいる大魔導輪、ガジャリに呼び出された俺は突然の情報に耳を疑う。ガジャリは異世界にいる魔戒文字の塊の様な姿をしている。
『そうだ。銀牙騎士、絶狼よ。』
「別の世界っていうのは過去とか未来とか鏡の中の世界とかでもなく?」
『魔戒騎士も魔戒法師も、ホラー自体もいない世界にホラーが渡ってしまった。』
『一体どういう経緯があったのかしら。』
左手のグローブの甲でカチカチと音を鳴らしながら俺の相棒、魔導輪シルヴァはガジャリを睨みつけながら聞く。
以外と強気だな。…まぁ俺も嫌な予感しかしないが。
『現在、様々な騎士や法師が調べているが原因は不明だ。銀牙騎士、絶狼よ。お前には別世界に渡ったホラーの討滅をしてもらう。』
やっぱりそう来たか。
「別の世界の事なのにやけに熱心だな。何かあるのか?」
『別世界に魔戒騎士、魔戒法師はいない。ホラーを倒せるのは』
「魔戒騎士だけ…か。」
話はここで一区切りつく。
確かに別世界に行ったホラーをこのまま放置は出来ない。再びシルヴァは口を開く。
『一体どうやって他の世界に行くのかしら?それに絶狼、零夜じゃなくちゃいけない理由があるのかしら?』
『我の力を使い貴様をその世界に送る。貴様を選んだのは貴様の強さを見込んでだ。』
…守りし者としての使命を果たせ。師の言葉を思い出し、決意する。
「わかった。俺にしか出来ないことならその依頼受ける。」
『零夜??本気で言ってるの!どんな世界かも分からないのに!』
シルヴァすまん。俺は守りし者としての使命を果たす。
「大丈夫さ、シルヴァ。俺たちならやれるさ。」
最初のコメントを投稿しよう!