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アルフは未だにこちらを睨みつけているが構えを解いて、
「…本当なんだね?」
両手を上げなんの敵意もないことを示す。
「俺は涼邑零夜。今日この街に来たばかりの流れ者さ。そのよくわからない宝石の使い方なんて知らないさ。」
「あんたみたいなガキが流れ者?」
しまった。いつもの様にはいかないか。フェイトとあんまり身長変わらないもんなぁ。
「まぁ良いさ。アタシにゃ関係ないしね。」
アルフは既に興味なしと手をヒラヒラさせながら正面に立つフェイトに、
「それじゃあフェイト、もう帰ろうか。ジュエルシードも手に入ったし幸先良いね。」
「うん。そうだね。…零夜はしばらくこの街にいるのかな?」
「そのつもりだけど…どうして?」
フェイトの顔が一瞬陰り、
「この街はちょっと良くないものがあるから…気をつけてね。」
それだけ言うとフェイトとアルフは一緒に歩き出しそのまま行ってしまった。
「良くないもの…ね。ホラーのことか、それともあのジュエルシードのことか。」
『何はともあれこの街を少し調べた方が良さそうね。』
シルヴァすっかり空気になっていたな。まぁホラーや魔戒の事を知らない人の前で魔導輪が喋りだしたら混乱するだけだしな。
「そうだな。このまま街を探索、良さそうな甘い物の店を探し夜は本業としますか。」
『まったく零夜はそればっかりなんだから。』
シルヴァと言葉を交わしながら俺も海を出て街に向かった。
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