▲ROUND1

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都会の喧騒から離れた1時間に1本しかねえような電車の終点駅。 そこに俺の通う男子校はある。 そんな交通の便の悪い場所になぜ学校をつくってしまったのか疑問だが、もちろんそんな場所に生徒が集まるわけもなく。 自然と他の高校に入れないような奴らが流れつくようになり荒れに荒れた男子校のできあがりってわけだ。 「よぉ、生駒。チィとツラ貸せや」 そんなところだからか面倒なことに学校外で絡まれることも少なくない。 見たことのあるような、ないような…そんな奴らが4、5人ぞろぞろと出てきたかと思えば行く手を阻むように立ちふさがる。 面倒な、と態とらしく大きく溜め息をつくとそいつらはニヤニヤと下卑た笑いをもらす姿に思わず眉をしかめた。 「そんな余裕ぶってられるのもいつまでもつかねえ」 「なに、…ッ、」 なにかおかしい、そう思った瞬間に背後でジャリ、っと砂を踏みしめる音が聞こえハッと振り返ろうとした瞬間に頭部に凄まじい衝撃が走る。 ぐらり、と大きく揺れる視界で最後に見えたのはバット両手で構えた男の不細工なツラだった。 あー、最悪だ。今日は早く帰って来いって言われてたのに。ツイてねえ そんなことを考えているうちに俺の意識は暗闇へと沈んでいった。
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