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「なんだよ、デマ情報だったかんじ?」
「あたりめーだろ、いっちゃんがわざわざそんな事するかよ。はいはい散ったちった~~」
小吉がみんなに聞こえるよう大きい声でそういって追い払うようにしっしっと手をふった。
聞き耳を立てていたクラスの奴らもそれを聞いて興味を削がれたようにいつもの喧騒を取り戻し始める。
「サンキュ、小吉」
「あいよ~」
このまま噂が無くなればいいけど、そう簡単にはいかないようで。
その後も休み時間のたび覗きにくるやつがいたり落ち着かないまま過ごし、昼休憩の時間に最悪な事態が起こる。
『ハイ、こんにちはー。静かにしてねー。生徒会ですよー。昼休憩の中悪いけど、風紀委員長から話があるから静かに聞くように。』
教室で小吉と昼食をとっていると校内放送を知らせる音楽が流れ、いつも通り誰かの呼び出しだろうと聞き流していたが風紀委員長という単語に思わず噎せる。
風紀委員長がわざわざ放送を流すなんてことは初めてで、今朝の噂も相まって騒がしかった教室も水を打ったように一瞬で静まりかえった。
『風紀委員長の桐嶋だ。騒がれている噂をハッキリさせるためこの場を借りるぞ。単刀直入に言えば俺は次期風紀委員長に生駒一をと考えている。フられたけどな。しかし現在この考えを変えるつもりはない。以上』
ブツッと雑に放送が切られると一斉にクラスの奴らの視線がこちらに向くのがわかった。
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