▲ROUND3

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この状況はまずいんじゃないだろうか。 桐島岳の口からはっきりと後続の意思が告げられた今、俺の意思なんて関係なしに絡まれるのは明白だ。 クラスの中でも騒がしい奴らが学食へ行っていたのは助かった。もしこの場にいたら早速絡まれていたに違いないから。 クラスの奴らの視線からしても教室は安息の地にはなり得ないことを再確認して手元のメロンパンに視線を落とす。 今すぐ放送室へ駆け込んで桐島岳へ恨み言の1つや2つ言ってやりたい気持ちはもちろんあるのに、それよりも漠然とした不安を感じて思考がぼんやりしてしまう。 「いっちゃーん」 「…いひゃい」 「俺がいるからだいじょーぶ」 向かいに座っていた小吉に名前を呼ばれて顔を上げると思いっきり頬を摘んだ伸ばされた。 小吉がつまんでいるせいなのにアホづら!と言って笑うから仕返しに髪の毛をぐしゃぐしゃにかき回してやったら悲鳴をあげて立ち上がった。 「あっ!!!ひでえセット時間かかるのに!!!」 「ばーか、仕返しだ」 あまりの慌てようが面白くて笑みをこぼすと、小吉が優しい顔でぽん、と頭に手を乗せてきたのをみてひどく安心感を覚えた。 いつもそうだ。普段は子供っぽい癖に何かあるとおれの気持ちを汲み取って動いてくれる。 「ありがと…」 「んー?なになに?俺にコーラ奢るって?」 「ふざけんなばか」 口に出して言わないけどそういうとこすごく尊敬してるし好きだ。…だからコーラぐらいは奢ってやってもいいかなとおもう。
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