< 再来 >

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その途端、浩太の小さな右手が真帆の髪の毛を サッと掴んだ。彼は何か見えないものに脅されて いるかの様に、顔を真っ赤にして、泣き声を上げ 続けている。 しかし、手を離そうとせず、逆にグイグイと引っ張って いる。 「痛ーい!!」と思わず声を上げながら真帆は浩太の 手から自分の髪の毛を引き離そうとする。 真美も、驚きつつ彼女に加担しようと浩太の手を開かせ ようとしたその瞬間、『ブチッ!』と嫌な音を立てて 一房の髪の毛が彼女の頭皮から剥がれた。
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