< 訃報 >

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真夏の蒸し蒸しとした夜。 目覚まし用デジタル時計の闇の中に白く浮かんでいる 数字は、ちょうど真夜中の1時41分に変わり始める ところだった。 そんな事には、全く気付かずに、クーラーを目いっぱい 効かせた部屋の中で、彼女は熟睡していた。 そんな、心地よい眠りから覚醒へと見えない手によって 強引に引っ張られるように、しーんとした空間に突然 けたたましく携帯電話の着信音が鳴り響いた。
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