第1章

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エンジンルームに人がいないため出力の増減が出来ず、宇宙船は着陸速度を大幅に超過した速度で、惑星の地表に激突した。 気を失っていた私は、火事を知らせるアラームで気が付く。 痛む身体から、操縦席に身体を固定していたベルトを外す。 副操縦席の相棒の肩を揺すろうとして、金属のパイプが彼の胸を座席ごと貫いている事に気が付き、彼のヘルメットを軽く2度叩き、「さよなら」と囁く。 乱入しようとしていた奴らは皆、地表に激突した衝撃などで操縦室から一掃されている。 ヘルメットと宇宙服を脱ぎ、私物やこれからの生活に必要な物が詰まったサバイバルバッグを手にして、操縦室の緊急避難扉を開けて地表に飛び降り、爆発に巻き込まれない所まで走った。 数分後、宇宙船は爆発。 その後数日間私は、空腹を訴える腹を宥めながら宇宙船が爆発した現場をうろつき、使える物を探す。 その私の目に、この惑星の生物の姿が映る。 興味深そうに爆発現場を眺めている、2足歩行の生物にそっと近寄り、飛びかかり押さえつけ、首筋に牙を突き立て迸る血を飲む。 美味い!!芳醇な極上の血。 後年、吸血鬼の始祖と言われるようになる男は、腹が満たされるまで、クロマニョン人の血を飲み続けるのであった。
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