麗しのアンコール

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唇を腰から下ろしていくにつれて、下肢に緊張が生まれていくのを感じた。それでも頑なに合わせようとする膝を開き、内腿にくちづけて進む。僕に向かって立ち上がり蜜を溢れさせる先を口に含むと、びくんと腰が揺れた。 「……んっ……はっ…ぁ…」 抑えた息遣いと、それに反して揺らめく腰が気持ちを一層煽る。張り詰めたものを吸い上げ、さらなる快感を与えたくなる。唇と舌で愛撫を続けながら、指は手探りでもっと奥を辿る。慎重に襞を開き、指先をとぷんと差し挿れる。 どうしてこんなことをする?そんなの、…愛しいからにきまっている。 奥はとくんとくんと脈打ち、切迫した情動は指にダイレクトに伝わってくる。それがそのまま下半身に疼くように伝わるのだから、あまりの率直さに苦笑しそうになる。 薫はこちらに手のひらを向けるように口元に手を遣り、唇に当てて声を抑えている。初めて見る蕩けるような表情を見ているだけで、ずくずくと体も心も、どうしようもなく崩れていく。 「声出していいんですよ。薫さんの声、聞かせて」 そう捉しても、吐息の中に微かに言葉にならない声を混じらせるだけで声を出さない。 劣情は解き放たないくせに、ねっとりと絡みつき指全体を締めてくる現実的な感覚に嫌でも興奮が高められる。柔らかくて熱いうねりに反応して、押し寄せる波のように疼く身体を抑えられない。今度は僕の番だから全部預けてと言ったのに。 シーツを握る薫の手を取り、自分の肩にかける。 「だめ、だって……引っ掻いて、傷つけそう…」 「平気です。こうしたら顔も見えるし。声出さないなら、僕にしがみついて教えてください。痛いとか、いいとか、もっととか、全部教えて」 背にかかる手にぎゅっと力が篭る。過分なほどローションで濡らした指で奥を擦ると、自然に漏れてくる声が耳元をしっとりと濡らす。 「…はっ…んっ……」 縋るようにしがみついてくる腕にやっとあなたを感じて安堵してしまう。 薫を包み込むように抱き、甘い気持ちになっていたのは束の間だった。 解けてきた蕾に限界を超えた屹立を押し当てると、震えが伝わり膝裏の汗が冷たくなって流れたのがわかった。 「力抜いて」 「む…りっ……」 身体の中心を扱き上げながら口づけると、切ない吐息ばかりが溢れ胸を焼く。
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