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腰をゆっくりと進め、締め上げてくる中を掻き分け熱を埋め込む。ぎゅうと首元に力が込められるごとに愛しさが増していく。肌が触れて最奥に達したことに気づいた。
「はっ…あ…っ…あぁ…」
苦しげな声が耳の奥に流れ込み、身体に深く染み込んでいく。
「大丈夫、ですか?」
こくりと小さく頷き、大丈夫だという返事の代わりに自分からゆっくりと腰を揺らめかせてくる。その緩やかな動きは微細に昂る欲望を刺激し、ひどく苛む。
「気持ちいのか…よく、わからない、けど…嬉しい…」
たまらない。涙が浮かぶ瞳でそんなことを言われたら、鼓動が止まってしまう。
実際ぎゅうと胸を握られているのかと思うほど、幸せなのに心が押し潰れ痛い。同時に繋がるところから激しく揺さぶるような快感が湧き上がり身体中を駆け巡る。
愛おしさと、どうしようもなく急き立てられる愛欲に抗うことなんてできない。
本当に、思う先には先がある。限界を超えて、思うよりずっと深い愛情が潜んでいる。
求め、与え合い、受け取り、互いを満たす。こんなことができるなんて、知らなかった。
緩やかに腰を引き奥を突き上げると、受け止める身体が震え、中も敏感に締め付け反応する。動くたびに深さを増して繋がり、深くなる快感に蕩けていく。薫の苦しげだった声は切ない喘ぎに変わって湿った熱を撒き散らす。
「アァっ……っ…はぁっ…ん…んっ…あぁっ」
抱きしめて抱きしめて抱きしめて、あなたを捕まえる。あなたは強く抱きつき返してくれる。
余裕なんて欠片もない快感にふたりして溺れていく。最奥まで届くよう何度も腰を打ち付け、屹立を奥深く沈め、粘膜を擦りあげる。
あなたの中を知った。心を知った。でも、もっと…。もっと深く。際限なく求め合う。尽きるまで。果てるまで。
「あぁっ…っ…純央っ…!」
初めて薫の声を聞いたような気がして、深く意識に焼き付けた。同時に身体の奥底でずっと温め続けた想いが弾けた。激しく眩しい光を伴って熱情が迸る。
好き、好きだ。真っ白に霞む光の中で、力任せに薫を抱き寄せる。二人の間にも白濁が散らされていてぬるついた。それもかまわず火照った身体を抱きしめる。
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