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第4章 デジャヴの贈り物(続き)
そして厄介といえば、もう一つ。
私の気持ちを落ち着かせなくなる「厄介」がある。
その名は、誕生日。
月が変わって間もなく、八月の初めに
私は、その「厄介」を迎えなくてはならない。
しかも、この「厄介」までひと月を切った頃から、
私は、追い込まれるような恐怖感と圧迫感の中、
いつも神経の先をピリピリとさせる日が続いている。
確かにこの感覚は、十年前にも酷似したものを味わった。
それだけに、「過ぎてしまえば、なんのことはない」と
自分に言い聞かせてはいる。
だが、その裏側で、必死に抵抗する輩は必要以上に頑張るのだ。
お陰で、私の神経の休み処はすっかり奪われている。
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