第4章  デジャヴの贈り物(続き)

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私は、忌々しい携帯電話を、それでも大人の余裕をもって静かに置き、 自分の横のグラスへと手を伸ばす。 そして、水滴が流れ落ち、すっかり濡れているグラスの表面を ティッシュで丁寧に拭って、ゴクリと喉を鳴らして 大きく一口ジュースを飲んだ。 ところが、 あれ? 分量、違ってないのに――。 私は、思わずグラスの中を覗きこんだ。 なんだか、ビタミンジュースの爽やかさも気が抜けて、 すっかり苦味だけが残っているような気がする。 そう小さく首を傾げた時、またしても携帯電話が鳴りだした。 こんなに暑い日に、爽やかさを望んでも無理ということだろうか。 だから、つい独り言が零れでる。 「今度は、誰っ!」 しかし、やはりこの日はビタミンジュースの効果も望めなく、 爽やかにはなれそうもないらしい。 「もしもし、美沙ちゃん? あっ、お母さん。 ねぇ今度の水曜日、うちに来るでしょ?  お誕生日のプレゼント、何がいい?」 まだ私は、行くとも行かないとも言ってない! そして私は、今度は、素直に出来るだけ音をたてずに溜息をついた。 絶対に、「よんじゅう」の呪いだぁ――。
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