第4章  デジャヴの贈り物(続き)

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しかし、当たり前ながら、 私が、「よんじゅう」に呪い殺されることはなかった。 ただ、「さんじゅう」の時と違っていたことは、 誕生日当日を迎えても尚、私の中のイライラが消えなかったこと。 そして、仕事に忙殺されることもない「よんじゅう」の私は、 素直に、母に呼び出されるまま彼女のマンションへ 久しぶりに出かけたことだった。 もちろん、当の母の誘いは私の誕生日祝い。 だが、まさか「思い出したくない日になっている」ともいえず、 この日の私は、母の元へと向かっていた。
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