第4章  デジャヴの贈り物(続き)

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新しい母の住み家は、 以前に実家のあった場所より、少し横浜の中心から離れた所。 戦後、間もなくに開拓されたという住宅街。 そこは、どこか昔懐かしい下町の匂いが残った暖かみのある町。 ただ、小ぢんまりとしている分、家や人の密集度は高く、 母は「自分の年相応の運動量で事足りるのが、ありがたい」と言っているが、 のんびりとした別荘地での暮らしに慣れてしまった私には、 やはり、少々息の詰まる圧迫感は否めない。 しかも、言わずもがなな夏真っ盛り。 それどころか、梅雨が明けて以来というもの、 このままでは一気に水不足になるのではないかと思うほど 猛暑の晴天が続いている。
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