第4章  デジャヴの贈り物(続き)

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「お誕生日おめでとう」 満面の笑みを浮かべ、グリーンのリボンの掛けられた白い箱を差し出す 母を見ながら、私は、今更ながら 両親が支え合って生きていた事に気が付いた。 そして、 「ありがとう」 笑顔で応えつつ、私の心の中は 父の代わりという立場に気付いたことへのある種の戸惑いが拭えなかった。 「開けてみて」 母の言葉に素直に頷き、開けてみる。 するとそこには、鮮やかな緑と黄色に彩られた松ぼっくりを象る置物が二つ。 淡いピンク色のクッション素材の中に並んでいた。
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