第4章  デジャヴの贈り物(続き)

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まずは、レモンをギュッと搾る。 私は、胸の中のイライラもちょっぴり込めて、 半分に切った果実を力任せに搾り器に押し付けた。 その途端、細かいミストとなって飛び散った果汁が、 辺り全体を爽やかな香りで包み込む。 それを、胸いっぱいに吸い込むと、 私の中のイライラが、ふっと一つ消えた気がした。 いいぞ、いいぞ。 私は、自分に頷きながらもう半分の果実を搾る。 そして、適量のハチミツとジュースを合わせて ゴロゴロと氷の入った大き目のグラスに入れれば、 美沙特製、ビタミンジュースの出来上がり。
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